chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

高3 夏秋

第206首 勝つ自信あります

新の勝利を喜ぶ南雲陣営、太一の健闘を涙しつつ称える彼の応援者達。しかし、顔を覆って泣いていた千早は、歯を食いしばっており―― 大江が、続いて新が、そして他の皆も窓の外に気付き、一斉に見る。周防が真っ直ぐ新に指をさし、立ち去って行った。戸惑う面…

第205首 生まれて初めて札が愛しかった

新と太一の三試合目。畳に並べた50枚に「ちは」はなかった。 転校先に千早がおらんかったら おれたちはどうなっとったやろう? 若宮が千早に、三番勝負ではなく五番勝負でのクイーン戦を持ち掛ける。初めての五番勝負にて、話題性のある「女子高生」クイーン…

第204首 冷徹な鬼になる自分を止められない

新がかるたを始めたのは4歳頃。7歳で年上の仲間に勝つ程に上達。父に勧められた野球やサッカーは下手なので、仲間から邪魔者扱い。しかし、祖父とのかるたは違う。 めきめきと やればやるだけ うまくなる感覚 ほかのなにでも得られなかった 自信 強い子と当…

第203首 3人で到達できる最高点

第二試合が終わって観客が部屋から出ようとするも、千早が扉の前で寝ており、若干邪魔になっている。その後ろを擦り抜けて出て来た新は、千早と若宮に気付いた様子だが、顔を背けて立ち去る。 勝利した太一を、駒野や西田が労う。ヒョロは感涙しつつ、厳しい…

第202首 3試合目は譲らん

四枚差で敗退となった結川が泣いているが、審判の今田は驚異の勘を持っている。 「せ」を送られたときに 大きく勝負は傾いた おそらくあれは「最後まで読まれない札」 名人位予選は、新があと一枚の1-3。太一が徹底して守りがるただったため、「ちは」はずっ…

第201首 道路を開通させる

千早はリズムを整え、順調に取り始めた。 結川さん相手に 実行できなければ 詩暢ちゃんを前にしてできるわけがない 敵陣に手を出しすぎるな フライングを自分に許すな しっかり聴いてからでも 取れる札は取れる 「こ」が4枚あったが、暗記が得意なわけではな…

第200首 3人が2人と1人になる

千早は得意札の「しの」も「す」も敵陣からは取れなかった。千早がふと太一を見る。太一が千早に向かって厳しい表情で「す」札を掲げた。 牧野さんの読み 私も苦手だ でも太一が取れてるならいい いい 千早は冷静になる。 調子がよくて120パーセントが出てた…

第199首 瞳に映りたい

太一対新は、新が序盤で五枚差と優勢。新は太一に鋭い視線を送る。 いま 目の前におるのは 勝つか負けるかようわからんライバル ぶっ潰す 栗山先生の見立てでは、新は自分の取りに集中している。 かるたってやつは 取るのは簡単なんや 難しいのは いかに取ら…

第198首 反射が止まらない

予選第2試合目の読手は、牧野美登里六段。周囲の誰もが、身体がよく動き、音の反応も良く、一試合目で地力を見せつけた千早が優位と見ている。 最初の札は「おくやまに」。一戦戦って千早が「おおえ」と「おく」が得意と気付き、結川が千早陣から両方ぶっと…

第197首 ぶっ潰してやる

最後の札を取っていたのは太一だった――観客の話に、新は蒼白。自身が太一に昔「卑怯なやつやの」と言ったのに。 さっきの一枚をやり直したい やり直したい 太一 太一 どうしたらいい 太一―― 太一は西田と駒野に労われる。周防が鯛焼きを差し出して来た。 「…

第196首 自分を卑怯と思うことのほうがずっと怖い

邪魔や太一――新はそう思ってしまったが、我に戻る。 おれはまた… かるたで太一を見下して なにしとんのや 「3人で勝ってきて ここに来れたからや」 その気持ちはうそやないのに 太一は頻繁に札を移動。右中段に札を集め、新に狙わせ、他を全部取る作戦だ。 …

第195首 それでこそ決定戦

千早が「あわじしま」を素早く札を取る様子に、周防が見入っている。千早母も千早が速く取る様子と聴力との関連に驚く。動き出しが早い千早につられ、結川も手を出すが「おくやまに」でおてつき。 腹立つわ 「おく」やないのがわかってたけど 念のため動いて…

第194首 邪念に対する耐性

髪を切って現れた太一を見て、驚愕する面々。驚きつつ右手を上げている新は、太一に訝しがられる。 「たい…太一に会ったら 今度こそハイタッチやって思っとったから… 3人で勝ってきて ここに来れたからや」 千早は小学生の自分達が最後に出た大会、そして太…

第193首 かるたしかないんやけどな

西日本女子代表は結川桃。主に小石川と練習。若宮とも取るが、歯が立たない。若宮はかるたとは関係のないテレビ番組での活動が目立ち、タレント気取りと陰口を叩かれている。若宮はスノー丸柄の着物を作るため、稼ぎたいだけだ。 「そんくらいのお金も自分で…

第192首 行くんだその先へ

新は村尾との会話で、友達はかるた絡みくらいと指摘され、由宇もいると反論するが、村尾は「兄妹みたいなもんやろ」と否定。新が他には、と考えているところで、村尾にメールが届く。 「 新はラッキーやわ 神様がそれでいいって言ってくれとる気がする」 村…

第191首 絶対絶命を愛せよ

太一母が夫(太一父)との出会いを回想する。入り婿で、旧姓後藤から来る仇名のオリゴ糖のように優しいタイプ、優秀な外科医、学生時代に風紀委員同士だった、など。 「子供に1位を目指させるのは 私の方針なの 鶏口牛後って言うでしょう 1位になれない世界…

第190首 未来はちっともわからない

一回戦負けして自宅に戻っていた田丸兄は、ネット情報で妹が準決勝で戦っていることを知る。所用で行けなかった両親と共に、再び会場へ向かった。「わがいおは」を取って運命戦に持ち込み、笑顔で軽くガッツポーズする田丸。兄には妹が別人に見えた。 翠はお…

第189首 消えていかないで

須藤は「ちは」を送られたが、「ちは」を捨てた太一の狙いは太一自陣、と読んでいる。 あと一枚だからと集中する理音は、突然顔の辺りに手が伸びて来て驚く。理音の前髪一本が落ちて来たのを、千早がキャッチしたのだった。再び集中しようとするが、次の札は…

第188首 絶対量を確保した者に運は引き寄せられる

太一が担任に進路指導で言われたこと。 勉強時間の確保はできているか? 平日6時間 休日13時間 絶対量を確保するんだ 真島 絶対量を確保した者に 運は引き寄せられる 千早は集中し過ぎて、視野が狭くなっている。千早が自陣を囲い、理音がその上から押した。…

第187首 あの子だけがヒーローだから

小学生の時、眼鏡を失くした新はぼやけた視界のまま、かるた取りのイメージを浮かべて練習を始める。そこに千早と太一が現れ、千早が「眼鏡を探しに行く」と走って行ってしまう。太一が眼鏡を差し出して来る。眼鏡を掛けようとする先に見える、ぼやけた太一…

第186首 それがおまえの弱点だ

千早は理音に、一字決まりとなった「しら」を送られ、上段中央に一枚だけぽつんと置く。奇策に驚く周囲。 原田先生は痛む膝を抑えながら飛ばした札を探すが、見つからない。対戦相手の美馬が拾ってあげようとしないので、坪口が拾いに行き、美馬を睨む。美馬…

第185首 次に進むのは私だよ

美馬は原田先生に苦戦。その原田は膝が痛み、札を拾うのも一仕事。田丸は観客席を見渡すが兄の姿は無く、他部員達の視線も千早の方。それでも頑張ろうと集中する。 千早と理音はM音の聞き分け勝負。千早は相手の反応を見て、札を移動。「む」と「みち」を分…

第184首 勝ったら競技かるたを一生やる

準決勝。女子は千早対理音、横浜嵐会の優木秀子と田丸。男子は須藤対太一、 原田対美馬。 太一は賭けに乗らなかった須藤を再度挑発。周防は太一に、実力があり過ぎてかるたが好き過ぎる若宮には勝てないと話していた。 「自分のかるた」に集中するタイプは手…

第183首 笑ってない好きな人のお母さん

花野が太一の邪魔はさせまいと、太一母の前方を阻む。むっとする太一母。 「あなた 私の連絡先知ってたわよね 相変わらず長くて見てられないわ この試合終わったら連絡して かるたどころじゃないのよ 連れて帰るわ」 太一母は近辺で店を探そうとするが見当た…

第182首 だれかの物語の一部分だ

千早は咄嗟に飛び出し、太一に訴える。 「だ だめ 太一 だめ そんなのはしちゃいけない賭けだよ」 しかし、千早を見る太一より先に、須藤が反応。 「うっせえ 綾瀬 どうせ攪乱するための作戦だろ ふざけんな 乗んねえよ」 立ち去る須藤、真っ直ぐ前を向いた…

第181首 先に負けたほうが競技かるたを辞める

須藤と練習した日々を思い返す千早。若宮と丸被りの技だけでは戦えないので、戻り手を教えて貰う。千早からは、須藤に速さの特訓。対戦中、千早の目に「ひさかたの」が浮いて見えた。そのことを須藤に話すと、激しく馬鹿にされるかと思いきや、須藤は肯定し…

第180首 読まれる札が浮いて見える

千早は西高の速水相手に苦戦。渡り手を見て新を思い出しつつ、足の爪の割れのせいで集中を欠いている。 速水は祖父が持っていた豪華な百人一首札の書体を真似て描く程好きだった。競技かるたをを始めたのは高校入学時。 書道は筆を置いた瞬間に その先の字が…

第179首 ここにいるみんなを翻弄しにきたから

休日の真島邸。食器を片付けたり花の手入れをしている太一母に、太一が視線を向ける。口煩いが、所作は綺麗。 解像度が上がる 音の解像度 目の解像度 千早はかるたも勉強も同じ時間を割く毎日を続けている。全力を出している状態だ。 身体の解像度 そして迎…

第178首 最高峰という名の荒野

九月。千早は電車内でも勉強。大江が貸してくれた「英語でよむ万葉集」を開くと、彼女が勧める34ページ目に「たご」の原歌と英訳があった。 田子の浦ゆ うち出でて見れば 真白にそ 不尽の高嶺―― white, pure white―― 見入っていると突然、「へえおもしろいね…

第177首 言うてないなんも

若宮は伊勢の自宅兼明星会練習場を訪ねる。初めて来たのは六歳の時で、走って通った。ところが伊勢は不在で、クイーン戦で大盤係を務めた結川桃との練習を会の女性に勧められる。 クイーンのお手並み 話のタネに拝見しまひょか 遠慮しようとする結川と、正座…