chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

せをはやみ

最終首(前半)人生への想いを乗せた百の歌

勝利を決めた途端、いつものように即寝する千早。取材陣が新の方へ押し寄せる。 「やっぱり 5試合目まえに食べたソースカツ丼やったと思います 勝因は お…おなかの中から抱き締めてくれてます ぼくの地元とじいちゃんが」 30年ぶりの「綿谷名人」に感慨深げ…

第246首 ずっとそばに最初からそばに

名人戦とクイーン戦が共に、まさかの運命戦。周防の表情には笑みが浮かんでいる。 あと一枚 かるたができる この楽しい時間が もう少し続く

第241首 君は名人になれない

周防陣から難しい「む」を抜いた新。一旦眼鏡を外すと、畳に並ぶ札がぼやけて見える。 わからんが おそらくもっとだ もっと視界が不確かだ どれだけ心許ないやろう 周防の状態をそう推察する。新が小学生の時に太一と眼鏡無しで対戦した経験から、周防が得意…

第234首 ずっといた

千早の視線は太一に釘付け。 太一 太一が 太一が来た 挑戦者決定戦の後、大江が太一にこっそり問いかけた言葉を、千早は聞いていた。 「真島くんは いまでも千早ちゃんを好きですか……?」 「もうよくわからん… でも だんだん薄れていくんじゃないかって思う…

第226首 いちばん強くなる土俵

涙を拭いながら会場を出て行った千早を、新は試合の手を止めて見送る。周防に「あわじしま」「うらみわび」と二連取され、一枚差にまで追い付かれるが、頭の中で祖父が勇気づけてくれる。 大丈夫 彼は自陣の外側が苦手なのか ミスをしがちだ 押さえ手でくる …

第223首 あの子の魂は攻めがるた

「このたびは」を詠んだ菅原道真、「せをはやみ」の崇徳院は、平将門と並んで日本三大怨霊と呼ばれるが。 べつに怨霊とか思ってへん ずっと遊んできたおっちゃんたちや 敵陣で並んでもかまへん でも 千早 あんたはわざとやったな? 若宮からの厳しい視線で、…

第222首 あの子いじわるね

千早が試合序盤から定位置を動かし、若宮は千早陣左側に目を落とす。 札(みんな)がざわめいとる 居心地が悪そうにしとる なんのつもりや 千早 若宮の焦点はいつも競技線中心なので、千早としては自陣左下段に行くよう意図したもの。しかし、若宮は次に読ま…

第220首 挑戦者の覚悟が足りない

第一試合が終わっても、千早は最後の札について考えていた。 もっとはっきり もっと明確に主張するべきだった 挑戦者の覚悟が足りない 若宮は何食わぬ顔で札を箱に収めて立ち去るが、自分の取りで正しかったのかと疑問に思っていた。 なんで審判に判断を委ね…

第219首 おれの行くところじゃない

長崎から来た周防兼子と正と合流し、乗り継ぎホームへ向かおうとする太一が、千歳と遭遇。千早の着物が入ったキャリーバッグを太一に押し付け、千歳は立ち去ろうとするが。 名人戦の大盤係は、周防側が須藤、新の方は松林舜。新がリードしている。栗山先生の…

第212首 あっちをかき回してきて

千早のSNSが話題になっている。千歳も勧められて、姉妹ツーショットを投稿してみた。いつも反響数は千くらいなのに、二万を超えた。妹はスター性があると、周囲のスタッフから好反応だが……。 若宮の最新動画は、新が撮影したもの。若宮の表情に見入る千早。…

第202首 3試合目は譲らん

四枚差で敗退となった結川が泣いているが、審判の今田は驚異の勘を持っている。 「せ」を送られたときに 大きく勝負は傾いた おそらくあれは「最後まで読まれない札」 名人位予選は、新があと一枚の1-3。太一が徹底して守りがるただったため、「ちは」はずっ…

第180首 読まれる札が浮いて見える

千早は西高の速水相手に苦戦。渡り手を見て新を思い出しつつ、足の爪の割れのせいで集中を欠いている。 速水は祖父が持っていた豪華な百人一首札の書体を真似て描く程好きだった。競技かるたをを始めたのは高校入学時。 書道は筆を置いた瞬間に その先の字が…

第177首 言うてないなんも

若宮は伊勢の自宅兼明星会練習場を訪ねる。初めて来たのは六歳の時で、走って通った。ところが伊勢は不在で、クイーン戦で大盤係を務めた結川桃との練習を会の女性に勧められる。 クイーンのお手並み 話のタネに拝見しまひょか 遠慮しようとする結川と、正座…

第172首 自分一人では越えられん壁

新は若宮に「うか」札を送る。「うら」札と渡り手で取る作戦だ。若宮は警戒するが、新が狙い通りに「うら」を取った。 「うか」「うら」を持たされたら 決まり字前に飛び出さなあかん そうなったら詩暢ちゃんはどっちの札に行く? なんとなく相模(うらみわ…

第163首 目の前にいるのはおれやよ

太一が来た。願ってはいたが思いがけぬ人物の登場に、驚く部員と母親達。西田は隣の千早に伝えようとするが、千早は目の前に集中し過ぎており気付かない。太一は千早の陣を見る。 か… 勝ってる いま 6枚差? 新 相手に 勝ってるのか!? 新は額の汗を拭く。 …

第160首 終わってないですよ

準決勝で負けた瑞沢は、もう上には行けない。千早は自分自身に怒りを隠さない。 ”北央学園みたいな かるた強豪校になるの” ”全国大会 連覇!” 北央対藤岡東は、北央勝利。新もまた、俯き悔しさを押し殺している。いつものように「ゴッ」と怒りに燃える様子が…

第152首 運命につかまってんのかな

駒野は対戦相手を観察。かるた歴は同じくらいと踏んでいるが、自分はまだB級、相手は1年生でA級。残り札を考え、相手が攻めにくいよう札を移動させ、囲い手で上手く取れた。 そういう札こそ 僕は大事に すごい才能は持ってないから 前にそう言った太一は、こ…

第147首 勝者の責任

創部したばかりらしきチームが敗退して泣いている。北央の太田が馬鹿にするのを、千早憤慨。思い出すのは、太一と畳を運び入れた日、創部の苦労。他チームの会話が聞こえて来る。瑞沢は創部一年目で全国に出て 二年目で全国優勝で、でも創部時点で経験者が何…

第129首 ひとかどの人間になりなさい

長崎県大村市。周防従兄が伯母の兼子に動画配信を見せるが、彼女の目には画面の両隅辺りがぼやけている。番組の解説担当の山城今日子専任読手が、周防が読みの録音をさせて欲しいと頼んで来た時のことを話している。周防がかるたを続けている理由を聞き、兼…

第111首 札が教えてくれる勝つイメージの描き方

新は村尾相手に11枚差。中座した間に何が読まれたのかは、減った四枚の札の他、空札が何枚読まれたか、決まり字がどう変化したのかも分からず、枚数差以上のハンデとなる。 観衆が諦める中、新は札を動かし、戦う姿勢を見せる。運良く自陣が出て取れた。次の…

第98首 先輩がいるっていいな

「ちはやぶる」で千早が払った札が、猪熊の札とぶつかった。同じスピードで取ったのだ。元クイーンの猪熊は、桜沢先生の五つ下のライバルだった。桜沢はクイーン戦で四回も挑戦したのに勝てず、どうやったら強くなれるのかを訊いた。 えー 聴こえるから取っ…

第79首 音のはしっこをつかまえる勝負

大江に続き、千早まで怪我!? と立ち上がりかける太一だが、試合は続行。太一はお手つき。 ……まずい だれ一人 波に乗れない 千早まで 千早の指は実は、ズキズキと痛みが続いている。ただの突き指ではない……? ダメだ かなちゃんがくれた風を止めたらダメだ …

第65首 ただのかるた好きだ

肩に手を掛けられた新は、相手のことがすぐには分からなかった。 「あっ 詩暢ちゃんか! テレビと全然ちがうでわからんかった 激太りしたり激やせしたりなにやってるんや?」 子供の頃の対戦で、新に負けた若宮。 「……おかげさまで4年は無敗や でも まだまだ…

第42首 また挑戦者になれるんだ

山本は千早が牙を剥いたのに気付いた。空札なのに飛び出して来る。 ガンガンに狙ってきてる なに? これまで丁寧だったのに まるで 圧勝すると決めたような―― 圧勝? 大江は選手が誰一人として「歌」を聞いていないのを悲しく思っていた。でも、10人もいない…

第22首 みんなに取り残されたくない

新の祖父は病に倒れながらも、ベッドの上でかるたの配置を考えていた。新はリハビリを手伝いながら、東京にいた時の話を何度も繰り返す。 「使ってえん教室で 千早と太一と練習したりして 千早はすごい”感じ”がよくて 僕もっと千早にいろいろ教えたかったな…

第14首 二人のもの

六月、全国高等学校かるた選手権大会東京都予選。本選は七月に滋賀の近江神宮で行われる。瑞沢かるた部は皆、袴姿で参戦。千早はかるた選手ばかりが集まる会場に感動し、新に知らせようとメールを打ち始める。先月の誕生日以降、頻繁にメールを送っているも…

第12首 畳の上で努力し続けられるやつがいい

西田のかるた歴は10年。太一には、西田と大江の入部が有難い。 「おれ 千早には一回も勝てねーし おれが名人目指してるわけじゃねーから 勝てなくてもいいんだけど 千早の練習にはなんないじゃん」 西田が肉まんを頬張りつつ、太一に話す。 「綾瀬さー あい…

第1首 かるたって楽しいね

冒頭は、高校三年生の綾瀬千早がクイーン戦に挑む数カット。以降、物語は回想に移る。 6年まえ まだ情熱を知らない私 小学六年生の千早には、美少女グランプリの最終15人に選ばれるくらい美人の姉がいる。クラスメイトの真島太一が「姉妹なのに千早はまだ男…