chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第22首 みんなに取り残されたくない

新の祖父は病に倒れながらも、ベッドの上でかるたの配置を考えていた。新はリハビリを手伝いながら、東京にいた時の話を何度も繰り返す。

「使ってえん教室で 千早と太一と練習したりして 千早はすごい”感じ”がよくて 僕もっと千早にいろいろ教えたかったなー 太一もいいやつなんやよ 僕に帽子かぶせてくれたりしてのー」

テレビの名人戦では、現役大学生の周防久志選手が、名人に初挑戦。

「新 イメージしてみるんや あの場所にいる自分 ライトが煌々と熱くて ぎょうさんの人がこっち見てる 目の前には最強の名人 畳を叩く音だけがする近江勧学館 勝つ自分」

しかし、祖父は身体が弱って認知症になり、新が誰なのかも、かるたの札が何なのかも、分からなくなってしまった。かるたの大会にも練習にも行けない新のところに、同級生がA級昇級を自慢しに来た。千早からも、C級になったという手紙が届く。「また試合したいね!」とも書いてある。

新が祖父の介護中、祖父の視線がカレンダーに止まった。

「なんで新は行かんのや 出なあかんやろ 福井大会」

祖父が普通に……戻った。

行きたい みんなに取り残されたくない ほんでもじいちゃんが… 父ちゃんが昼すぎには帰ってくる 行きたい 早よA級になりたい

祖父に追い立てられるように鞄を取る。

「新 イメージや」

「うん!」と返事をして家を出て、それが最後となった。


新が試合会場に到着。千早は必死にかるたを取っていた。

苦しい 耳鳴りがする 倒れ込みたい 苦しい でも

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新の回想中心。周防が初の名人戦に挑むテレビ画面が登場する。試合中に読まれたのは「あまのはら」「たごのうらに」。新が祖父に差し出した札は「せをはやみ」「おくやまに」。回想で小学生の新と千早がかるたを取っている時に乱舞しているのは、「わすれじの」「これやこの」「ゆらのとを」「よをこめて」「よもすがら」。