chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

高2 秋冬

第136首 人生全部

暦は三月。まるで地獄から這い出て来たような顔の千早が、大江と花野の肩に手を掛ける。 「相談があるの… 二人とも…」 学年最後の定期考査の結果票を涼しい顔で見る太一。「2位」の票を握り潰す駒野。担任の宮内先生が、次年度は受験生となる生徒達に訓示。 …

第135首 好きな人に好きって言ってください

部室で練習。千早は読手をしながら、太一を見る。 太一…… …… ただ かるた取ってるだけに見える 太一…… どうして一人で 高松宮杯に出たの? 新との試合 どうだったの? 近くにいるのに なんでこんなになんにも聞けなくなっちゃったんだろう… 重い空気に、大江…

第134首 気負ったらダメだと思うのに

太一は新と対戦することになった。 目が合わせられない 気負ったらダメだと思うのに 新はこっちを見てるよ 普通にしてるよ くそっ、と情けない自分に太一は苛々。村尾が新に座る位置を間違えていると指摘。無言のまま場所を交換し、二人同時に「ふー」と息を…

第133首 勝たなければいけない理由がおれにはある

太一が一人で高松宮杯に参戦すると聞き、驚く千早。がっくり項垂れ、顔を覆う。 「い…… 言えないのが 太一 なんだよね…」 修学旅行の時以来、二度目の「抜け駆け」。大江がきっぱり言う。 「そうです 言えないのが 部長です でも そう思ってしまったら 考え…

第132首 じゃあもう一年おまけ

ロビーでばったり出会う千早、太一、新。揃って原田先生の控室に走るが、原田は休息中。妻が静かに付き添っているのを見て、三人はそっと後にした。咳が酷い新は、ロビーで観戦することに。 名人戦第五試合目、最終戦。周防は髭を剃り、髪を束ねて現れた。原…

第131首 私が大好きなかるたの世界

運命戦。原田先生は周防に送った「なにわえ」が出ないと予想しつつ、手元に残した「なにし」に迷う。「なにし」は語呂合わせで、名人の札とも言われている。一旦立ち上がり、場の空気を拾って呑み込む仕草。千早が見入る。 原田先生がよくやってた いつもの……

第130首 運命戦を見据えての

周防の凄まじい追い上げで五分となる。原田は厳しい局面だからこそ、基本に忠実に。作戦も頭の中で組み立てて。出札を念じて。 気づいてないのか 周防くん クイーン戦のほうの残り枚数を 気にしなくなったこと やっかいだったミスを誘う動きより 取りを優先…

第129首 ひとかどの人間になりなさい

長崎県大村市。周防従兄が伯母の兼子に動画配信を見せるが、彼女の目には画面の両隅辺りがぼやけている。番組の解説担当の山城今日子専任読手が、周防が読みの録音をさせて欲しいと頼んで来た時のことを話している。周防がかるたを続けている理由を聞き、兼…

第128首 名人の弱点はたぶん

名人戦は四戦目。原田先生が三戦目であっさり負けたのは、体力を考えてのことだった。自陣の定位置を変えて、勝負をかける。敵陣を攻め、送り札でノイズを、自陣も動かし。暗記が重要だ、と原田はいつも言っていた。 暗記がはいっていなければ勝負にならない…

第127首 みんな迎えにいくよ

若宮は最後に札を数えなくてはならないのに覚束ない。勝者の仕事として、猪熊が札を引き上げて行った。 待って… 待って うち 最後になんの札持ってたん? なんの札取られて負けたん? 待って 待って みんな 行かんといて 名人戦二戦目は原田先生の勝利。須藤…

第126首 うちはいま最強やないんか

休憩時間。原田先生の控室は、応援に来た人でいっぱい。原田本人は寝て疲労回復中。周防の控室も、大学かるた会関係者で賑やか。周防の電話は、動画配信されている名人戦の見方を説明するためだった。猪熊は控室で授乳しながら、理音に言う。 「理音ちゃん …

第125首 勝ち星さえコントロール

若宮は着物の袖が邪魔そうだが、いつもの通り。猪熊もブランクを感じさせない取り。動きの速さと正確さの若宮、誰よりも速く聞き分けられる”感じ”の猪熊。クイーン戦は17-17の互角。 周防が妙な体勢で、クイーン戦を覗き込んでいる。観衆は意味が分からなか…

第124首 名人戦なのに勝つ気がない

名人位・クイーン位決定戦。観戦席に新の姿が見えない。緊張気味に電話をする千早。電話の相手を察して、目を背ける太一。新は風邪で寝込んでいた。新と話すと「好きや」の言葉を思い出し、顔が赤くなる千早。 好きだって言われた日から 指先とお腹がいつも…

第123首 かるたは4通りしかない

太一は、周防に駅までの七分間で話を聞いた。 かるたは4通りしかないだろう? 自分が取る 相手が取る 自分がミスをする 相手がミスをする 攻めがるたの原田は「自分が取る」で、千早も新も、たいていの選手がそうである。周防は太一がお手つき――ミスをしなか…

第122首 試合で曲がらなかったやつを言葉で曲げないでくれ

千早は周防を前に、世界が歪むような感覚。 偶然だと思ってた 枚数差を調整して狙うってことは 取れるのに取らない札があるってことだ 相手のミスも数字のために誘うってことだ そんな選手がいるなんて そんな人が名人だなんて 須藤は千早の様子を伺う。 綾…

第121首 こんな気持ち悪いかるた取るやついねえ

千早はどの教科の先生になりたいのかをまだ決めていない。高校から大学への進学はノブのあるドアを選べる最後のチャンス、とは深作先生の弁。 「これも受け売りですが 『たいていのチャンスのドアにはノブが無い』と… 自分からは開けられない だれかが開けて…

第120首 昔の自分じゃなくなった

周防が若宮に、新が負けたことを電話で報せる。 「新鮮なりんごが 甘さで干し柿に負けた感じ…… 気をつけなよ クイーン戦 たぶん 詩暢ちゃんも 新鮮なりんごだよ」 りんご? 干し柿? 若宮はそれらを散らすように、かるたを払う練習。高校選手権で新と戦った…

第119首 一緒にかるたしよっさ

終戦し、新側の陣に残された「ふ」と「ちは」の札。勝者は原田秀雄六段、とのアナウンスに沸く観衆。千早が見上げると太一も涙を流しており、それを見て千早は太一にしがみついて更に涙。原田陣営は皆抱き合って泣いている。北野先生もボロ泣き。 歓喜の輪も…

第118首 最後の最後は

痛む膝を抑え、立ち上がる原田先生。 膝をかばいもせず 策もなく取り合っとった 夢でも見てたか 飲まれた…… こんな17歳がいるのか 手を広げ、場の空気を呑み込む。再び集中しようと努めるが、次も新に自陣を抜かれる。 『偉大な先人の物真似をする若僧』 ………

第117首 ぼくは名人戦で戦うなら

かるた会館から程近い公園。周防に「君はここでどらやき食べててもいいA級の人?」と訊かれ。 「いいんです クイーン戦は来年出ます」 千早は周防を質問攻めにする。和菓子を配るのは何故か、声が小さいのは何故か。しかし、稀代の”感じ”の良さは、とは聞け…

第116首 全力出して勝ったほうが上に行く

敵側の新に千早が何やら話していたのを「新に勝って欲しいのか」と太一が咎めるが、千早は不思議そうな顔。 「ちがうよ でも 全力出して勝ったほうが上に行く それが決定戦でしょ」 太一は毒気を抜かれてしまった。 原田の棄権は、体力温存のため。必要なの…

第115首 証明する義務がある

新は自陣右を原田先生に狙わせて、他の三か所を拾う作戦。札を動かし、自陣右がだんだん薄くなって行く。皆が新の上手さに唸っている。 翠北会の北野先生が原田を嫌う理由は、31年前の出来事にある。牧野読手の読みで名人戦に向けて調子を崩したくないからと…

第114首 せき止めてみようか

名人戦挑戦者決定戦。千早が新に視線を送ると、目が合った。胸を高鳴らせる両者。千早は隣に座る太一を見る。太一は厳しい表情で前を見据えている。 いろんな気持ちがあるから 100パーセント だれかを応援するって難しい…… 私も大人になったなー、と思う千早…

第113首 いざ三本勝負

東代表の猪熊は、富士崎高校で桜沢先生と練習。”感じ”は既に最盛期のものではない。帰宅途中の新幹線内で搾乳しないと胸は張るし、まだ乳児の子が高熱を出したとの連絡も来ている。 西の代表 逢坂さんは18歳 現クイーンは17歳 34歳の私が勝つにはどうしたら…

第112首 みんなに助けられて戦いたいんだ

夜11時。太一が修学旅行の宿舎に到着。原田先生が東日本代表になったと知り、喜ぶ千早。 「決定戦で おまえどっち 応援すんのかな」 太一は無表情のままで言うが、ピンと来ない様子の千早。 「すげーよな あいつ」 千早が西日本代表は新だと気付いて驚いてい…

第111首 札が教えてくれる勝つイメージの描き方

新は村尾相手に11枚差。中座した間に何が読まれたのかは、減った四枚の札の他、空札が何枚読まれたか、決まり字がどう変化したのかも分からず、枚数差以上のハンデとなる。 観衆が諦める中、新は札を動かし、戦う姿勢を見せる。運良く自陣が出て取れた。次の…

第110首 おれなんかたいした人間じゃない

西日本予選決勝で、新は村尾と対戦することになった。東日本予選の決勝は原田対須藤で、太一の名前はない。ホッとする。が、心に影が差した。 なんでさっきホッとしたんやろ? 太一が負けて なんで…… 暗記時間を利用してトイレに行き、戻って試合開始。 いつ…

第109首 読まれない札は永遠に読まれない

新は周防に言われたことの意味が分からずムカムカ。闘志を燃やしていた。 きみはいつか名人になる 次じゃない きみを見ててもテンション上がらない 周防は若宮と一緒に近江神宮へ。きちんと参拝する若宮に、周防は言う。 「きみの強さを支えているのは そう…

第108首 自分になりたい

太一の対戦相手は、ヒョロが吉野会大会B級決勝で負けた豪徳寺。 なにやってんだろ おれ なにやってんだろ 名人になりたいって みんな思ってんのかな おれは修学旅行休んでまでなにになりたいのかな 太一が戦っている姿を見て、太一母は苛々。 太一 名人位ク…

第107首 きみを見ててもテンション上がらない

堀川が一生懸命話し掛けてくれているのに、ぼーっとしているだけの千早。 一晩考えても 出てくる答えはひとつだけ 知らなかったよ 太一 太一が 真剣に名人を目指してたなんて 原田先生も燃えていた。 気づかなかった まつげくんが 修学旅行を振ってまで 真剣…