chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

最終首(後半)いづれか歌を詠まざりける

高校卒業式。千早は宮内先生からの訓示を受ける。 「クイーン 『部活の顧問をやりたいから』なんて気持ちで戻ってくるんじゃないですよ 教育現場の肝は学びの導く力よ 人を教える怖さと 人と向き合う楽しさに 取り憑かれたら戻ってきなさい」

最終首(前半)人生への想いを乗せた百の歌

勝利を決めた途端、いつものように即寝する千早。取材陣が新の方へ押し寄せる。 「やっぱり 5試合目まえに食べたソースカツ丼やったと思います 勝因は お…おなかの中から抱き締めてくれてます ぼくの地元とじいちゃんが」 30年ぶりの「綿谷名人」に感慨深げ…

第246首 ずっとそばに最初からそばに

名人戦とクイーン戦が共に、まさかの運命戦。周防の表情には笑みが浮かんでいる。 あと一枚 かるたができる この楽しい時間が もう少し続く

第245首 歌に意味に情景に引き寄せられる

千早、新ともに「ちは」札を取った。小学生の時の言葉、「あれは名人になるやつだから」「じゃあ綾瀬さんはクイーンやの」の実現に近付く一歩だ。 やっと やっと 迎えにきたよ 迎えにきたよ 沸く千早応援団の部屋から、そっと出る太一。太一はロビーの椅子に…

第244首 やっと迎えに来たよ

周防と若宮は快調。千早は四連取されている。新が以前、「試合をするときはいつも あの部屋(ボロアパート)に戻るんや」と話していたのを思い返す。 芹沢読手の喉元からの音を、周防が捕まえに来る。読まれたのは「ふくからに」。千早は取った札を拾いなが…

第243首 示そう、私たちの鍛えてきた気力と体力を

クイーン戦側は空札が続く。千早は毎回立ち上がって確認。「さびしさに」で二人とも手を伸ばすが、タイミングはセイム。飛んだ札を若宮が拾うが、千早は強気に札を送る。更に札を移動し、中央に「す」札を置き、軌道の先にある「しの」「せ」を狙う作戦だ。…

第242首 見えなくなるのはいやだな

新に対して「名人にはなれない」と吐いた周防。太一は彼が以前、千早にも「クイーンになれない」と言ったことを覚えている。周防は心の中で「また真島くんに怒られる」と謝りつつ、鬼の形相。 言葉でも 試合でも曲げてやる 新は周防に自陣を守らせた上で攻め…

第241首 君は名人になれない

周防陣から難しい「む」を抜いた新。一旦眼鏡を外すと、畳に並ぶ札がぼやけて見える。 わからんが おそらくもっとだ もっと視界が不確かだ どれだけ心許ないやろう 周防の状態をそう推察する。新が小学生の時に太一と眼鏡無しで対戦した経験から、周防が得意…

第240首 名人とかるたで話したい

瑞沢応援団がいる選手控室に、太一も合流。芹沢読手の序歌から、第五試合が始まる。若宮が四連取。札の神様に語り掛けるように、千早に札を送る。 行っといで みんな 迎えに行くさかい 呼んでね うちを 札の神様が千早を見上げている。若宮の視線も千早の方…

第239首 その嘘でここまで来た

新はソースかつ丼を完食。近江神宮の境内から試合会場まで、太一と走る。 じいちゃんの強さを借りて 名人戦の怖さから逃げようとした 新は太一に、試合に勝って欲しいというメールは本心なのかと問う。 「負けたやつの戯れ言だよ あんなの おれもう なんにも…

第238首 全力を出さしてくれって言うてるだけや

祖父の幻影を見ていた新は我に返り、ソースカツ弁当を境内で食べ始める。 千早は若宮の手当てを終えて一息つくが、次の試合の準備に取り掛かる周囲の雑音で、聴覚に異常をきたす。原田先生の指示で控室で回復に努める。 近江神宮で 若宮詩暢相手に4試合も あ…

第237首 あなたとかるたをしてみたかった

第五試合が20分後に始まるという局面で、若宮は新に頼み事。 アホやな ありえんやろ この貴重な20分に 人のためになんかしたったことなんて うちだってあらへん そうや どこまで行っても 一人でおることが うちの強さなんや 周防が山城読手に労われ、最後の…

第236首 うちの代わりに近江神宮に

四戦目の勝利をもぎ取り、珍しくガッツポーズまで見せる周防。クイーン戦で「あい」を取ったのは千早で、残り札はあと一枚の1-5。次に読まれた「ちはやぶる」は空札。 こちらの札に「ちは」はなかった 新の試合中に「ちは」は出なかった 「ちは」は私のこと…

第235首 大事な人の希望でいたい

周防の陣の札が減ったことで、新の動線が変わり、新の荒々しい連取が続く。新からの送り札は「ちは」。大盤係を務める舜の認識では、新が「ちは」を送る局面はそうそう無い。ただ、それでは名人相手には勝てないのだ。正月の練習で、舜は読まれる札を事前に…

第234首 ずっといた

千早の視線は太一に釘付け。 太一 太一が 太一が来た 挑戦者決定戦の後、大江が太一にこっそり問いかけた言葉を、千早は聞いていた。 「真島くんは いまでも千早ちゃんを好きですか……?」 「もうよくわからん… でも だんだん薄れていくんじゃないかって思う…

第233首 俺はなんのためにここにいる

近江神宮の最寄り駅まで戻って来た太一。女子トイレに枕と傘の忘れ物があったと、駅員が話しているのを耳にする。 名人戦は周防の四連取。須藤が積極的に札を拾いに行く。 体が思うように動かなくても 目が悪くても ここにいてほしい いろんなかるたがあるは…

第232首 聴こうとしなければ聴こえない

第四試合。若宮母は心配する。前年に負けた時は札を数えることも出来なかったのが、先の試合でちゃんと数えていたので、成長したと思っていたのに。そう聞いたこころの母は不思議そう。 「それちゃんと言うたったですか? 言うてやらんとわからへんですよ 子…

第231首 おれのかるたが借り物だってことが

三試合目を負けて終えた新は、千早から目を逸らしたまま立ち去る。 おれがじいちゃんのかるたを 壊してしまったら わかってしまう おれのかるたが 借り物だってことが 千早の控室では、あのクイーンを負かした、と皆が大盛り上がり。いつもならば倒れ込んで…

第230首 じいちゃんのかるたを壊してしまったら

千早が二枚差で勝利し、歓喜に沸く応援団。瑞沢の仲間達が涙まで流して喜ぶ様子に、驚く千早両親。クイーンに勝つことは、千早だけの夢ではないのだった。 若宮は厳しい表情で引き揚げ、控室に入るなり倒れ込む。千早が崇徳院を従えて札を引き上げる心象風景…

第229首 自分の人生が始まった気がするの

周防の払い手に勢いが出て来た。 読手さんがぼくを 天才にしてくれる 千早は若宮の得意とする敵陣左下段から「ほととぎす」を抜いた。札を拾う千早を、周防が見る。 きみもやっぱり "こっち側"か 新も千早を見て、初めてかるたを取った小学生の時を回想。 あ…

第228首 熱意をつないでいってもらいたい

第三試合の大盤係は田丸。「あなたもここに来るんでしょう」という桜沢先生の言葉を思い返し、浦安の間の空気に呑まれる。大盤に札を並べてみると、千早の思考がとめどなく溢れて来て、視界が歪む。 千早が九頭竜の読みでよく動けている、と若宮が気に掛け始…

第227首 百花に先駆けて

新からの「するぞ3勝」で、千早や大江達は太一からの同じ言葉を思い浮かべていた。その前を若宮が通り掛かるが、千早が押し退け気味で先に浦安の間に入る。クイーンを従えてという構図に、若宮母子は不快な表情。 新に太一から届いたメールには「周防にハン…

第226首 いちばん強くなる土俵

涙を拭いながら会場を出て行った千早を、新は試合の手を止めて見送る。周防に「あわじしま」「うらみわび」と二連取され、一枚差にまで追い付かれるが、頭の中で祖父が勇気づけてくれる。 大丈夫 彼は自陣の外側が苦手なのか ミスをしがちだ 押さえ手でくる …

第225首 人は人のためにしか本気で祈れない

千早は以前、深作先生に何でもいいから学びなさいと諭された。 学問を 他者を 理解しようとする営みだけが 見えない繋がりを浮かび上がらせてくれるのだから 若宮も小さい頃から百人一首を学び、札と親しんで来た。そこに入り込んで来たのが千早。千早が大山…

第224首 強靭な暗記

若宮は小さい頃から百人一首の本を読み漁っていた。例えば、藤原定家は障子一枚に二枚ずつの色紙を貼り、一つの壁に八枚で、それが四部屋。意味も人も工夫して並べられ。 千早は取った「もも」札を見詰め、若宮の強さの秘密を考える。送り札は「もろ」と思い…

第223首 あの子の魂は攻めがるた

「このたびは」を詠んだ菅原道真、「せをはやみ」の崇徳院は、平将門と並んで日本三大怨霊と呼ばれるが。 べつに怨霊とか思ってへん ずっと遊んできたおっちゃんたちや 敵陣で並んでもかまへん でも 千早 あんたはわざとやったな? 若宮からの厳しい視線で、…

第222首 あの子いじわるね

千早が試合序盤から定位置を動かし、若宮は千早陣左側に目を落とす。 札(みんな)がざわめいとる 居心地が悪そうにしとる なんのつもりや 千早 若宮の焦点はいつも競技線中心なので、千早としては自陣左下段に行くよう意図したもの。しかし、若宮は次に読ま…

第221首 かるたにおいては一要素でしかない

第二試合の大盤係は田丸の予定だが、もうすぐ始まるというのに着替えていない。花野が再び務めることに。着付けしてくれる大江はどういうわけか、出入口に散乱する大量の靴を整理中。田丸が桜沢先生に声を掛けられる。 「いい経験させてもらってるわね いい…

第220首 挑戦者の覚悟が足りない

第一試合が終わっても、千早は最後の札について考えていた。 もっとはっきり もっと明確に主張するべきだった 挑戦者の覚悟が足りない 若宮は何食わぬ顔で札を箱に収めて立ち去るが、自分の取りで正しかったのかと疑問に思っていた。 なんで審判に判断を委ね…

第219首 おれの行くところじゃない

長崎から来た周防兼子と正と合流し、乗り継ぎホームへ向かおうとする太一が、千歳と遭遇。千早の着物が入ったキャリーバッグを太一に押し付け、千歳は立ち去ろうとするが。 名人戦の大盤係は、周防側が須藤、新の方は松林舜。新がリードしている。栗山先生の…