chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第180首 読まれる札が浮いて見える

千早は西高の速水相手に苦戦。渡り手を見て新を思い出しつつ、足の爪の割れのせいで集中を欠いている。

速水は祖父が持っていた豪華な百人一首札の書体を真似て描く程好きだった。競技かるたをを始めたのは高校入学時。

書道は筆を置いた瞬間に その先の字が決まる 私の腕は 一画目から札とつながる

対戦中の千早、観戦している理音も、速水の戦いぶりに危機感を持つ。独特な反応と、特殊な狙いの設定が見られる。

千早は髪ゴムを解き、割れた爪にティッシュを巻いてゴムで止め、応急処置。呼吸を整える。若宮と「次はクイーン戦で」と約束したのに、負けたら終わりだ。次の札「あきかぜに」は千早が取った。速水は「あきの」に釣られてお手付き。

かるたは怖い でも おもしろい かるたとこんな 変なつながり方してる人

次の札「おとにきく」も千早が取った。速水は千早の気合につられるミス。後半になって一字決まりも増え、連取して行く千早。集中している千早の目には、「たごのうらに」が浮き上がって見えている。速水が戸惑っているうちに、千早がそれを取り、札を拾いに立つ。次の「ふくからに」も。

速水さんは どんなふうに 札を感じてるの? 私はね だれも信じないだろうけど ときどき 読まれる札が浮いて見える ほら 数学でいう x軸y軸 ふつうのかるたがそれで―― そこに ときどき見えるの z軸が――

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予選一試合目から厳しい戦いとなってしまった千早。呼吸のことは以前から何度も描写されているが、離れていても太一とシンクロしまくり。読まれた札は「うかりける」「なにわえの」「わたのはら・や」「あきかぜに」「おとにきく」「せをはやみ」「あきのたの」「さびしさに」「たごのうらに」「ふくからに」。

千早の「読まれる札が浮いて見える」は、第24巻第128首で紹介された原田先生の「完璧な暗記によって場にある札が浮き上がってこなければならない」という教えに基づくもの。次巻第188首でも登場するが、浮き上がるというオカルトwに捉われず、つまりどういう状態なのかを理解しておきたい言葉だ。