chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第152首 運命につかまってんのかな

駒野は対戦相手を観察。かるた歴は同じくらいと踏んでいるが、自分はまだB級、相手は1年生でA級。残り札を考え、相手が攻めにくいよう札を移動させ、囲い手で上手く取れた。

そういう札こそ 僕は大事に すごい才能は持ってないから

前にそう言った太一は、ここにいない。接戦で、運命戦が視野に入って来た。

かるたの才能なんか おれだって持ってねえ きついけどやってんだ 負けるけどやってんだ

筑波と田丸の負けが決まった。西田と駒野は、札合わせされた二組の運命戦へ。

だって 勝てたとき どんだけうれしいか――

かつての太一の言葉と重ね、前年全国大会決勝を運命戦で優勝を決めた時のことを思い出す。が、読まれたのは敵陣の札。北央が四勝一敗で勝利。決勝リーグの瑞沢は一勝二敗で負け越しで、個人の勝ち星も多くない。千早の目から涙が零れる。

私のせいだ 私のせいだ ごめんみんな ごめん先生 ごめん太一 太一 もっと みんなで 5人並んで かるたがしたかった

泣き濡れているところで、朋鳴が冨原西相手に敗戦した。北央以外の三校が一勝二敗と並び、順位は主将から順の勝ち試合数で決まるが、駒野の二勝が効いて、瑞沢が東京都二校目で全国大会に行けることになった。


練習場で畳の拭き掃除をする太一。メールの着信があった。どうせまたヒョロだろう。

行けねーよ ヒョロ 部長なのにあんな去り方して いまは周防さんといるほうが楽なんて もう 瑞沢かるた部じゃない――

電話を手に取ると同時に、怒涛の着信。西田、大江、花野、駒野、筑波。それぞれから全国大会進出を決めたことを知らせるメールだった。思わず握り拳を作る太一。メールがもう一本着信。千早からだった。

全国大会に行けるよ。最後に読まれた札は「せ」だったよ。

「せをはやみ」の札を思い浮かべる。

”待っている”でも ”会いたい”でもない もう一度出逢う運命を願う歌

太一は掃除の続きを始める。

おれも”運命”に つかまってんのかな 離れたつもりでいても 仲間にするなら 畳の上で努力し続けられるやつがいい

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東京都予選、決着。机くんの背景の札は「せをはやみ」「いまこんと」「これやこの」「ほととぎす」「ひともをし」。そこから読まれた「これ」「す」「ほ」、最後が「せ」。運命戦で残ってしまったのが「いまこ」。しかし、千早からの簡素なメールが泣ける。