chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第153首 チームの柱の存在感

東京都予選が終了し、表彰式と講評。千早はヒョロに言われたことと照らし合わせた。

”おまえは自分より強いやつしか見てねえんだ 冷てえよ”
”束勝ちするような強さではなく 苦しいときにどれほど堪えたかるたができるか チームの柱の存在感”

浮かぶのは、太一の背中。

そのとおりだ そのとおりだ

敗退した朋鳴の佐々が、青春が終わってしまった、と泣いている。坪口は励ます。

「青春は何度でも来る 何度でも来るから 何度でもがんばれよ な」

着替え終わった千早が帰ろうとすると、ヒョロがロビーで待っていた。

「千早… さっきは… ちょっと言葉がちがったなと思って… おまえは ずっと…… 強くて孤独なやつのそばにいてやろうとしてたんだもんな」

千早の頭に、小学生の時の新、そして若宮のことが浮かんだ。

「冷たくない まちがってもねえよ」

ヒョロを捕まえ、千早は抱きついた。眼中になかったろ、と言われたが、ヒョロとは小学生からの付き合い。

「優勝おめでとう ヒョロくん 北央強かった 強かった 全国大会では負けないよっ」

棒立ちで固まったままのヒョロ。千早は部の仲間と一緒に帰る。

チームの柱の 存在感

若宮はパン屋でアルバイトを始めた。しかし、初めて迎える繫忙日、要領が悪過ぎてクビになってしまう。自宅に帰ると、若宮が買ったパンを茶菓子に寛ぐ祖母がいた。若宮は祖母に訴える。

「かるたが かるたで生きたいのにできんっ でも ほかのこともできんっ お母さんみたいに私もなる おばあちゃんに養ってもらって お荷物になって 悔しい 怖い でも できん かるたしか好きじゃない かるたしかできん」

祖母が若宮からかるたを取り上げた。返せと手を伸ばす若宮に、祖母が言う。

「これは私が買うたもんや 手にいれたかったなら あんた かるたのプロになるしかないやろ」

と言われても、そんな世界はないのだが……

「あんたは クイーンやろ? 女性の中では 日本一強いんやろ? それは世界一ってことや 若く 美しく 世界一強いあんたが プロになれなんだら だれもなれん 覚悟しなさい 詩暢 世界で一人目のかるたのプロになりなさい」

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東京都予選が終わっての講評。彼女持ちのヒョロにハグは余計だろw その辺に気が回らないのが千早なわけで、千早は今回のヒョロのみならず、太一にも複数回、ギャグ扱いだが机くんに縋り付いたりと、前科がある。

千早から太一に抱き付いた場面は、第2巻第8首の千早A級昇格時、第15巻第83首の全国優勝、第23首第119首の原田先生が挑戦者決定戦で勝った時。他にも車で寝入ってしまった太一の頭を引き寄せたり、仮眠中の太一に頭突きをかましたり、腕を掴むだけでも多数。太一から千早にというパターンも多く、二人の距離は居住地という意味だけでなく近い。気安い関係と言うべきか。

一方、千早から新への接触。第22巻第115首の挑戦者決定戦にて、新に耳打ちした際に腕を掴んだのが現段階での最大値かと思われる。第2巻第9首の福井で再会した時に掴んだのは、新の袖。第17巻第92首で新が全国大会個人戦A級優勝を決めた時も、千早が掴んだのはTシャツ背中部分。小学生時代に遡っても、眼鏡の無い新をアパートまで送って行く時、千早のランドセルに括りつけた巾着を掴ませていた。雪合戦の後に千早を地面から引き起こす時、これは太一との共同作業だし、千早は手袋をしている。小学生のかるた大会で千早が新を突き飛ばしているが、これは流石にカウント外だろう。というわけで、小学生で別れる際に、千早が新と太一の手をそれぞれ取ったのが唯一と言えそうだ。もう、ハグなんてとてもじゃないが縁遠く。

但し、新から千早へは、第4巻第23首で千早棄権時に成り行きからの正面抱っこからお姫様抱っこ、果ては膝枕というなかなか濃い描写がある。千早の記憶にはどうやら残っていないらしいが。他に、第21巻第113首にて挑戦者決定戦の開始直前、新が千早の頭にとんと指先で触れたくらいか。

第29巻終了。表紙の北央勢の背景は、赤い薔薇でいいのかな? 赤い薔薇を背負うヒョロw 花言葉は「あなたを愛してます」「愛情」「美」「情熱」「熱烈な恋」だから、かるた愛を語っていると。ピックアップされた一首「たちわかれ」は、第151首で登場。この巻での扱いは大きくないが、太一の現状を表すような内容。前巻の表紙裏面でも、太一に纏わる歌として共に描かれている。巻末四コマ漫画は、応援不要で不器用な新と藤岡東部員達。