chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第186首 それがおまえの弱点だ

千早は理音に、一字決まりとなった「しら」を送られ、上段中央に一枚だけぽつんと置く。奇策に驚く周囲。

原田先生は痛む膝を抑えながら飛ばした札を探すが、見つからない。対戦相手の美馬が拾ってあげようとしないので、坪口が拾いに行き、美馬を睨む。美馬としては、ルール違反を犯しているわけではないし、須藤に勝って欲しくて原田の体力を削ろうとしているだけ。しかし、それに気付いた須藤が注意する。

「美馬 おまえ だれと試合してると思ってんだ もったいないぞ」

須藤から見て、太一の取り方はやり難い。分かれ札に追い着いて来る、同じような動き、手の下に滑り込んで来る、短い札をお手付きせずきっちり守る、ミスが全く期待出来ない、息がつけない。須藤の呼吸が浅いのを見た太一が深く息を吸うと、それに気付いた須藤も深く吸う。呼吸を奪われる。そして動きを引っ張られ、須藤は空札をお手付き。間を取る須藤。

周防さん仕込みのこのやり方 引きずらねーよ お手つきなんかで こんなおもしろい勝負壊さねぇよ

太一が自陣の「しらつゆに」を払い、札を拾いに行くと「しら」が二枚あり、一枚を理音が受け取って行った。顔を強張らせ畳を見ている千早が、太一の視界に入る。そんな千早を見てしまった太一は、次の自陣の札を取れなかった。須藤は「ちは」を太一に戻すが、太一は真後ろの千早を気にしている。

おもしろいな もう一緒に練習もしてなくて プレイスタイルも全然ちがうのに どこかで繋がってる それがおまえの弱点だ

西日本予選、女子決勝は実力が拮抗。逢坂恵夢が勝てば、三回目の決定戦進出。結川は極端な左寄せ配列を止め、丁寧さと正確さが増している。新は盤石。小石川はお手付きを三回もしている。但し、差はまだ三枚。

小石川はかるたを作る会社で、取り札の製作担当。出荷可能だったが裏紙を上下逆にしてしまったりと、失敗続き。しかし、手元の札をふと見て、自分が作った札がその試合で使われていることに気付く。続いて、周囲も驚くような鋭い取りを見せる小石川。

バカでうかつで ミスばっかりのおれが 競技かるたなんて繊細なものにハマるなんて それ自体おかしいんだ A級なんて奇跡みたいなもんだ 名人戦予選の決勝にまで出て かるたを作る職人にまでなって わりと起こるんだ 奇跡は

新が札を取ったかのように見えたが、小石川が自分の取りだと主張する。新はいつも通りモメず、引き下がる。更に連取される。

白波会に来た新に、原田が話したことは――

新くん "自信のある人間"と"ポジティブな人間"では どっちが勝つと思う? 個人戦での君に弱点があるとすれば 「ミスしなければ自分が勝つ」という自信の持ち方をしている点――… ポジティブな人間は「自分が勝つ」とだけ思ってる

原田は美馬に15枚差で勝利。理音と千早は5-10、須藤と太一が4-9。それぞれの試合で苦境に陥っている、千早、太一、新。

青春全部かけてきた――末の これが 絶対絶命――

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ドS須藤とドM真島の戦い、不利な状況に蒼白の千早、西日本予選決勝の新と小石川、以上の三本立て。内容でも上手さでも太一優勢のようだったが、千早の異変に気付き、頻繁に見るようになってしまう。心配のあまりか、とも読めるが、本巻終盤から次巻収録分にて別の目的らしき可能性が描かれている。

西予選では、恵夢たんも久しぶりに登場。眼鏡を外し、パーマをかけ、化粧も上手くなり、分かり易く大学デビューしたらしい。カメラ男子三人組は何と、同じ大学のかるた部に入っちゃった。彼等にとって恵夢はもうアイドルではなく「師匠」。

読まれた札は「みかのはら」「おぐらやま」「なにわえの」「きりぎりす」「たかさごの」「しらつゆに」「ありあけの」、西予選で「よをこめて」。