chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第218首 あるだけで手を絡めに来る

大江が言う「強い敵は強い味方」について、近所にあった呉服店との関係を例えに説明。

「そこがお店をたたんでしまったら うちの店の売り上げが激減して 一店だけが――… 一人だけがどんなにがんばってても 強くても 場が盛り上がってなければ そのジャンルは衰退します」

第一試合、一枚目の「めぐりあいて」を千早は自陣から抜かれる。名人戦側は周防の取り。大盤係を務めるのは、千早側が花野、若宮側は十歳の竹内こころ。身長が足りず上部に手が届かないため、張り替えに難儀。まだ子供かつC級なので彼女の母に反対されたが、若宮が説得したのだった。

「たぶん こころさんが いま一番うちを 好いてくれとるから……」

若宮は札を並べる時から、千早が「ちは」札で目の色を変えたのに気付いていた。特別な一枚を持つことは命取り。

在原業平朝臣 体貌閑麗 放縦不狗 伝説の美男子 強すぎるイメージがいつも あるだけで 手を絡めに来るやろう?

試合は若宮が序盤から五連取で、大振袖で畳の上の札を乱しながらも進む。

ここまで来たのはすごいけど あんたは敵でも ましてや味方でもない 敵も味方も うちにはおらん うちは一人で どこまでもどこまでも 強くなる

控室にいる結川と小石川は、今行われているクイーン戦を見て貰おうと、あらゆるSNSを駆使して拡散中。若宮はSNSを始める切っ掛けとなった小石川の一言を頭に浮かべている。

こんなに強いおれらのクイーンが 知名度ないって言われて 悔しいじゃん

「ちはやぶる」が読まれ、千早の右下段から若宮が取る。これで若宮の六連取。

うちは一人で どこまでも強くなる でも「おれらの」て 勝手に思うくらいは許したるわ

太一は試合の様子をスマートフォンで見て愕然。ちょうどそこで、周防叔母の兼子と従兄に声を掛けられる。

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名人戦クイーン戦の第一試合開始。名人戦は一枚目しか描写がないが、千早も新も旗色が悪い。「ちは」への拘りについて、渡会と猪熊は第208首で指摘していたが、詩暢もこれまでの千早の戦いぶりから把握済み。こころちゃん、第178首で詩暢と初対面した時に「うちも強いで」「桃ちゃんにも時々勝つ」と豪語していたけれど、まだC級の模様。

登場する札は「めぐりあいて」「あきのたの」「おもいわび」「すみのえの」「やまざとは」「ちはやぶる」。