chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第36首 一人だったらどうしようと思うんだ

新と再会した太一。同じく久しぶりの再会となった師匠同士の賑やかさに呑まれ、新との会話は彼の師の説明を聞いた程度。新が太一に、二つ折りにしたメモを渡す。

「おれ ちょっと勘違いしてたわ 今日 太一はA級で出ると思ってたんや」

その言葉が太一に影を落とした。

「もし必要やったら それ千早にも教えて」

太一が渡されたメモを開くと、新の携帯電話の番号とメールアドレスが書いてあった。


千早は駒野からの怒りのメールも振り切り、大会会場へ急ぐ。

なにしてるんだろう 私…… 勉強のことも かるたのことも 自分のことはなに一つ前に進まないのに だけど 太一が勝ったとき 負けたとき 一人だったらどうしようと思うんだ そんなのはいやなんだ

千早が会場に到着するが、太一は敗退済み。ショックを受ける千早に、太一は伝える。

「千早 新が出てる」

千早は試合会場へ行き、新がかるたを取る姿を見詰める。原田先生もその視線の先に気付く。原田が控室に行くと、太一が見ていたメモを握り潰し、肩を落としていた。

新のかるたは水が流れるがごとく、札に向けて自然に手を伸びて行く。水面を弾くように、札を飛ばす。千早は魅入られていた。

暗い表情のまま、会場に戻る太一。千早が太一の手首を急に掴んで来た。

「太一 太一 やったね! やったね!」

以前、太一は千早に言った。

強くなってあいつを待とう 新は必ず戻って来るから

千早は涙を零している。

太一 やったね

太一の目からも涙が伝う。

いやだと思う気持ちと一緒に おれの中にもやっぱりあるんだ やった 新が帰ってきた

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吉野会大会で太一は新と再会するが、新が何気にドス黒い。彼は直近の大会の結果表で、太一がB級準優勝と知っている。全国大会B級準優勝という情報を得ているのかは不明。A級ではないと分かっていて嫌味を言ったのか、発破かけてるのか、「B級」での準優勝であったことを見落としていたのか、B級準優勝二回で昇級済みだと思っていたのか。いずれにせよ、お互いにというか常に皆、言葉足らずだ。

千早が会場で向かう最中に「こぬひとを」、新を見つけた瞬間に「めぐりあいて」、その後「かくとだに」「もろともに」「かささぎの」の空札が続き、「かぜをいたみ」が読まれたところで水を弾くイメージが描かれている。

太一の高校一年次の公式戦はこれで終了。一年分の戦歴を纏めておく。


全国大会予選

  • 栄光大付属
  • 秀龍館
  • 華咲学園
  • 準決勝 冨原西
  • 決勝 北央 木梨浩 8枚差

全国大会団体戦

  • 佐賀・武知
  • 大戸川添
  • 輝星
  • 岡山・? ※恐らく勝利
  • 静岡・富士崎 ※勝敗不明、チームは敗退

全国大会個人戦B級

  • (この間、五試合で詳細不明。二戦目は不戦勝)
  • 勝戦 富士崎 戸田 ●3枚差で敗戦、準優勝

石川県金沢市北国かるた大会 B級

  • ●詳細不明だが敗退

埼玉大会B級

  • 一回戦 木梨浩 3枚差
  • (この間試合数など不明)
  • 勝戦 西田優征 ●運命戦で敗戦、準優勝

吉野会大会B級

  • 一回戦
  • 二回戦
  • 三回戦 ●敗退