chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第91首 うちはクイーンやから

新も最初からこんなかるたを取れていたわけではない。まだ身体が小さい頃は村尾に負け続け、いつも祖父をイメージしてやっているのにちゃんと動けないと悔しがっていた。祖父に言われた。

そんな怖い顔してかるた取ってるんか? イメージっていってもぉいろいろや 自分の身体がいちばん軽く動いたのはどんなときや? かるたがいちばん楽しかったのはいつやし? とりあえず 具体的には毎日素振り300回やな

祖父が亡くなってから背が20センチ伸び、毎日500回の素振りをし、身体が出来てきた。

イメージに 追いついてきた

残り4枚対9枚。騒めく観客席に、若宮は苛々。五試合目、楽な対戦相手ばかりではなかったのだから汗ぐらいかくが、タオルを使うという滅多にない行動にまた観衆が煩い。立って見下ろす若宮に、笑顔で返す新。

ホンマ 調子狂うわ このニコニコメガネ 油断ならんわ 集中や集中

運営の先生も唸って見詰める。

まちがいない 高校生の……いや A級最高レベルの一戦

熱戦の末、若宮は二枚差で敗戦。顔を上げ、フッと笑う。沸くギャラリー。

何年も無敗のクイーンに 土をつけた すごい男子が出てきたぞ

新が若宮の額に手を伸ばす。

「熱 あるんやろ 詩暢ちゃん 昨日ずぶ濡れになって 保冷グッズまで使って…… すごいな よくやり切ったな」

若宮は自分に向かって来る人と戦ってみたかったのだ。

「…… 当然や うちは クイーンやから」

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舞台はA級決勝会場。新祖父が亡くなったのは、新が中学三年生の時か。そこから二年で身長が20センチ伸びて、公式ガイドブック情報では現在177cm? 成長痛がきつそう。中学男子の身長ってそんなんだっけ? 読まれたのは「ゆらのとを」「なげきつつ」、最後が「きみがため・は」。