chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第87首 終わっちゃった私の夏

A級個人戦三回戦。千早の頭には、若宮と戦った過去の記憶。

去年詩暢ちゃんと戦ってから一日だって消えない あの速さ 強さ 詩暢ちゃんに勝つことだけを目標にしてきたの 全力を見せて 日本一の 世界一の

クイーン若宮は安定の速さ。

決まり字までまったく動いてないように見えるけどそうじゃない 手が動いてないだけで身体は読みのイメージを追って動いてる ためてるんだ ミスなく決まり字の瞬間にピタリと取るように それも最短距離の札の縁を刺すように

千早も苦手の大山札を一枚守って取るが、取り続けているのは若宮ばかり。ガーゼもテーピングも外した。若宮は千早を見詰める。

あんたは…… 昨日団体戦で優勝したとこのエースやろ? お友達と仲よく目標は達成したやろ? なんでや ケガまでしとんのに私に集中してるわ かるたに集中してるわ

若宮の得意札「しのぶれど」を取る千早。皆も驚いている。しかし、千早の指が……


千早は23枚差で敗戦。千早は若宮に泣きながら言う。

「あ ありがとう 手かげんしないでくれて ま また かるたしようね」

小さな声で「いつや?」と訊く若宮の背中に、千早が答える。

「ク クイーン戦で!」

千早はソファの下に崩れ落ちる。

終わっちゃった 詩暢ちゃんとの試合 終わっちゃった 終わっちゃった 私の夏――

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三回戦は、スノー丸シャツと、激レアマミィベアタンクトップonチームシャツの戦い。詩暢の幼い頃の寂しい記憶は第15巻第81首で、セオリーとは違う気がするが銀杏混じりの紅葉が流れている。読まれたのは「こいすちょう」、千早が詩暢から取った「きみがため・お」「ひさかたの」、もう一枚取れた「しのぶれど」。