chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第34首 またおまえとがんばってく

運命戦の基本は自軍死守だが、太一は敵陣を攻めて行った。その作戦と太一の視線に、西田は自陣「あ」の札がまだ残っているのかと半信半疑。空札が続いて消耗する中、太一は考える。

千早…… おまえだったらわかるのかな 「あ」になる前の音 「せ」になる前の音 千早 おまえだったら

次に出たのは、西田側にある「あ」だった。太一敗戦。


太一が尋ねると、西田は残り札を正しく把握していなかった。

「よかったな 運がよくて」

そう言って部屋を後にしたものの、太一は後悔。負けたのは運のせいではなく、前半の取り漏らし、技術の差。

きついな 一生懸命って…… 言い訳がきかねえよ

ロビーの椅子に座っていた太一の横に、西田が何も言わず腰掛けた。

「…… ごめんな」

太一が謝り、西田も返す。

「また おまえとがんばってく」

D級は三位入賞で昇級なので大江と駒野、B級優勝の西田で、三人が昇級。大江が振り返る。

「私 今日の決勝戦は 私の120パーセントが出せたと思います でも それはたぶん 相手が机くんだったから…… 勝ち負けをおいて自分のかるたをしようって 気負いがなかったから……」

千早は頭の中で反芻する。

気負い… 気負いかあ……

帰りの車中。千早の隣に座る太一が眠りに落ち、車の振動で窓に頭を打ち付けている。千早は太一の頭を引き寄せ、自分の肩に乗せてやる。皆は黙って注目。

私も太一も 気負ってばかりだ

千早が言う。

「…… 団体戦がしたいね みんなでまた チームになりたいね」

A級二人、B級一人、C級二人なので、団体戦をやったらかなり強い。

チーム 私の大事な

一方、福井で練習中の新。実力者の村尾に勝つなど、会長にも期待を掛けられている。壁に貼ってある大会の結果表に、西田と太一の名前を発見。村尾はA級で三位。新は名人戦西日本代表を目指すことを宣言する。

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B級決勝、太一対肉まんくんの対戦が終了。読まれた札は「つきみれば」「わがそでは」「ももしきや」「ありまやま」「あしびきの」。千早が太一に肩枕をしてあげるのは、第5巻第29首の逆バージョン。その美しい描写とともに、「私の大事な」のコマにかかるように新の姿。作者はとことんSだ。