chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第63首 個人戦で勝つことしか考えてない

千早は深作先生に、条件次第で吹奏楽部に部室を譲る話のことを突っ込まれる。悩んだ末に、二階を荷物置き場に使って貰ったら、と宮内先生を通じて提案。

「ほかの部に良くしといたら 自分にもかえってくるかなあって!」

深作は千早に感心。

「いやー 私は あの子はけっこうな勝負師だと思いますよ 最終的に勝負の命運をにぎるのは自分じゃないと なんとなくでもわかっているのはたいしたものです」

部室で期末試験勉強をする一同だが、吹奏楽部が荷物を移動させているので煩い。挙句、楽器を鳴らし始めた。大江が言う。

「『ちはやぶる』っていうより『あらぶる』って感じですねえ」

そこで分かったことに、千早は「ちはやぶる」の意味をまだ理解していなかった。

『荒ぶる』が悪い神の力なら 『千早振る』は正しい神の力
『荒ぶる』がバランスの悪い不安定なぐらぐらな回転の独楽だとするなら 『千早振る』は高速回転するまっすぐな軸の独楽 なにが触れても弾き返される安定した世界でまるで止まっているように見えながら 前後左右上下どこにも偏りなく力が集中している状態

部室の窓の外に吹奏楽部が登場。かるた部全国大会の検討を祈って校歌の演奏をし、部室のことの礼を言って去って行く。「千早振る」の調べに、千早は涙を流す。


近江神宮へ出発。宿に入り、花野の「一人の時に会いたいと思う人はいないのか」という質問に触発され、千早は新に電話する。太一は偶然通り掛かるが、新相手に話す千早の表情を見て立ち去る。千早は新もチームを作れば、と言う。

「……おれ 団体戦は興味ない 個人戦で勝つことしか考えてない」

その言葉にショックを受ける千早。

「わ…… 私だって勝つよ! 個人戦も 詩暢ちゃんにも勝つよ!」

団体戦個人戦もとは簡単ではない、若宮だって出る、と新は冷たい。「でも、勝つ!」と電話を打ち切り、千早はその場に座り込む。脳裏には、チームを組んだ小学生の時の三人が浮かぶが……

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全国大会を控えた部室にて、今更ながらの「ちはやふる」の歌談義。都立瑞沢高校校歌の作詞作曲は軽田伊能知。後に、第31巻第159首や第34巻第174首にて別の歌でも登場。

第11巻終了。表紙で部員と共に描かれた松の花言葉は「不老長寿」「哀れみ」「同情」。かるた部がずっと続いていくといいなあ、という千早の願いを表しているよう。袖で紹介されているのは、第61首の決勝の運命戦で読まれた「朝ぼらけ・あ」。巻末四コマ漫画のネタは、四コマなしだが余裕の表情の千歳と西田姉、恋バナ砂漠に怒る菫。