chiha memo

漫画「ちはやふる」の伏線や感想などの超個人的備忘録

第146首 そんな簡単な人間になるな

終戦も田丸で行くという西田。彼なりの理論を展開し、田丸を励ます。千早は田丸の背中を押し、試合会場へ行くよう促す。皆を応援するしかないのだ。

宮内先生が会場に駆け付け、花野は状況を訊ねられたが。

「綾瀬先輩も 真島先輩も 試合に出てないなんて…… 私にとっての瑞沢かるた部じゃない…」

西田の対戦相手はヒョロ。腰も手も動きが小さくなって、怖くないと指摘される。田丸を参考にしたからだ。苦手なタイプだからこそ、学ぶところがたくさんある。西田だって、千早ではなく田丸を副将にするのは乗り気ではなかった。でも、大江が信念を持ってそう推した。おまけに気付けば、大江は駒野と良い雰囲気。

変わらないものなんかない 変わらないものなんかない おれはどう変わればいい? おれはどう変わればいい? らしくなくても なんでも学んで 強くなるしかねえんだよ!! 主将はおれだ いま この部をいちばん強く支えるのは おれだ

決勝リーグに進むことになり、また田丸が図に乗り始めた。駒野が肯定する。

「うん 田丸はほんとすごかった 勝ち星稼いでくれて助かった 1年なのに頼っちゃってごめんな」

にこやかに言った後、その笑顔の質が変わった。

「でも 気をつけて このくらいの褒め言葉 ウソでも言える」

厳しく指摘を続ける駒野。

「言ってほしい言葉をくれる人間に 人は簡単に操作されるよ そんな簡単な人間になるな」

田丸が返事に詰まっているところで、千早が突然土下座。

「大事な時期に きゅ…… 休部して すみませんでした 予選のルールの練習に 参加できなくて すみませんでした」

千早の中に、かるたがしたい、という気持ちが沸いて出て来る。

「も もう一度 戦わせてください 瑞沢かるた部として」

大江が涙を浮かべて言う。

「なに言ってるんですか 千早ちゃん 千早ちゃんが作った部じゃないですか 千早ちゃんと真島部長が……」

千早は涙を拭きながら、太一と部室に畳を運び入れた時のことを思うが。

ちがう もうちがう

宮内先生が花野に語り掛ける。

「あの二人が出てないことで 綾瀬さんと真島くんが出てなくても みんなが勝ち切ることで 来年も再来年も続いていく瑞沢かるた部が やっとできてきたと思うんですよ」

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東京都予選。田丸に向けられた説教は、かるたで褒められたり人に好かれたかったりなど、千早にも思い当たることがあるだろう。太一と畳を運び入れた場面の回想は、第20巻第104首の吉野会大会決勝の時に「ずっと一緒にがんばってきてくれた男の子だ」と太一を認識した場面でも登場。それももう「ちがう もうちがう」ということなんだろうな。

登場した札は「はるのよの」「わがいおは」「あまのはら」。かなちゃんは太一のことをまだ「真島部長」と呼んでいるが、その後部長は誰が務めているのか。千早が居なかったから、実力もある肉まんくんが順当だとは思うけど。